12 三才駅 ~新駅計画 住民と学生が描く地域の未来

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 長野工業高等専門学校(徳間)で7月、「長野以北並行在来線活用研究会」のワークショップ(WS)が開かれた。古里、若槻両地区の区長ら役員と、長野高専の学生合わせて約50人が参加。両地区の公共施設や商業施設、観光地といった地域資源を、鉄道を中心としたまちづくりにどう生かすかを話し合った。
 「地域循環バス『東北ぐるりん号』は、利便性を高めるために商業施設や三才駅を経由するルートにしよう」「地区内の観光地をネットワーク化した周遊ルートをつくろう」

 研究会は2013年に発足。テーマは、三才駅を含む鉄道の利用促進と、北長野―三才間に新たに市が費用負担する請願駅を設置する場合の駅の姿や周辺のまちづくりだ。
 これまでに7回のワークショップと、しなの鉄道の視察研修などを実施。地域交通の課題や人が集まる駅の在り方、駅周辺整備のアイデアなどをまとめてきた。近く研究成果を総括し、具体的な運動段階へ移行する予定だ。

 両地区の住民自治協議会と長野高専は11年、北長野―三才間への新駅設置を市に提言した。これを受け市は12年度、市内の長野―豊野間への新駅設置の可能性を調査。候補地について、土地利用の現況や利用者数予測などから「『北長野~三才間』への設置に優位性が高い」とした。

 新駅について、研究会座長の藤沢秀行・古里地区住民自治協会長は「住民にとって必要な位置」と話す。北長野―三才駅の中間に駅ができると、住宅の多い上駒沢、金箱、徳間、稲田に住む人の通勤通学、長野高専や市立長野高の学生生徒の通学利用が期待される。

 また、上松から徳間まで開通している都市計画道路「北部幹線」(サンロード)が候補地近くで線路をくぐり、17年度末までに古里まで到達する予定。周辺は、交通の結節点として重要性が増す。

 地区役員と学生が膝を突き合わせて行った珍しい形態のWS。藤沢さんは「学生の新鮮な発想が刺激になって、役員からも面白い案が出てきた。古里と若槻の地域課題を共有する機会にもなった」。研究会顧問の柳沢吉保・長野高専教授(都市計画)は「地域づくりのために鉄路をどうするか、という視点で議論できた。地域の課題や資源がはっきり見えてきた」と話す。

 市は現在、候補地の具体化や設置効果、需要予測に関するより詳細な調査を進めている。今後住民アンケートも行い、「来年度以降、市民に結果をお知らせしたい」(交通政策課)としている。

写真:10人ほどのグループに分かれて話し合ったWS(2014年7月6日)
 =柳沢吉保・長野高専教授提供
(竹内大介)
(2014年9月27日掲載)