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14年10月 天気が歴史に関わる「川中島の戦い」に霧

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 秋は一年で最も霧が発生しやすい季節です。霧にはいくつか種類があります。長野県の場合は盆地で発生しやすい「放射霧」が多く、千曲川や犀川などの川沿いでは「蒸気霧(川霧)」も加わり、一段と濃い霧が広がりやすくなります。

 1561(永禄4)年9月10日の「川中島の戦い」は、まさにこの放射霧と蒸気霧が合わさった濃霧に振り回された戦いとなりました。今の暦だと、10月中下旬のことです。

 武田信玄と上杉謙信が争った川中島の戦いは、戦国史上最大の激戦の一つです。

 戦いの当日、上杉勢は早朝に発生した霧を味方に付け、霧に隠れて武田陣地に攻め込みました。しかし、霧が晴れた10時過ぎからは、2倍の兵力を持つ武田勢が勢いを盛り返し、形勢が逆転したといわれています。「朝霧は晴れ」ということわざどおりの天候が、明暗を分けました。

 このように、天気が歴史に関わった例はいくつかあります。「桶狭間の戦い」(1560年)では突然の雷雨が、「桜田門外の変」(1860年)では季節外れの雪が、行方を左右しました。

 今のように天気予報がなかった時代に戦いを制するためには、天気を味方に付けるほどの強運も必要だったということなのでしょうね。
(2014年10月25日号掲載)

=写真=川中島古戦場にある一騎打ちの像
 
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