15 インタビュー ~しなの鉄道北しなの線運営協議会会長 砂山 聡さん

[プロフィル] 住民団体「信越本線黒姫駅・古間駅応援!ファン倶楽部」代表世話人、スポーツメイト スナヤマ(信濃町)社長。

sunayama.jpg ―「運営協議会」でどう利用促進を図る。

 観光客の呼び込みも大事だが、住民の利用が減らないことが前提だ。しなの鉄道には地域住民が利用しやすい鉄道を目指すことを求め、沿線住民には鉄道で地域が潤うというメリットを理解してもらえるよう働き掛ける。

 ―当面の活動予定は。

 来年3月の開業のころに、「さよならJR・こんにちはしなの鉄道」のイベントを各駅で開催したい。イベントは駅ごとの特色を生かした企画にすることが大事だ。近く具体化し、準備に入りたい。

 ―北しなの線の経営は当面、国の支援を受けることで成り立つとされている。

 鉄道は10年続けばいいという事業ではなく、子や孫の代までずっと続いてもらわなければならない。利用者が減ったことで運賃値上げや運行本数減少が起こり、さらに利用者が減るという負の循環にならないようにしなくてはならない。長く続いていくための仕組みを、住民、行政、バス会社など様々な立場の人が皆で考える必要がある。

 ―利用しやすい鉄道とするために、しなの鉄道に求めることは。

 交通網全体を考え、新幹線や各駅からのバスなどの二次交通と連携したアクセスのいいダイヤを求めたい。また各駅でJRの連絡切符が買えるようにするなど、利便性を高めてほしい。便利なら、人はおのずから集まってくる。

 ―駅は地元市町に運営委託される。

 しなの鉄道には、企業理念や経営ビジョン、行動指針などを地元に具体的に伝え、共有できるようにしてほしい。各駅の強みや需要などを体系的に分析し、それに基づく運営方法を地元に示してほしい。そのことで、駅の個性が出て、どう集客していけばいいかが見えてくる。

 ―駅の個性づくりは観光客呼び込みのカギにもなる。

 私たちにとって当たり前の風景や地域資源が、外から訪れる人に感動を与える。今あるものの魅力を、どう伝えて集客につなげるかだ。各駅が持つ観光資源を再発見し、見つめ直し、開発していく取り組みを、様々な立場の人と共にタイミングを逃さずに行うことが大事だ。3歳の記念に全国から家族が訪れる三才駅、新幹線の車両基地がある豊野、リンゴや桃の産地など観光資源は沿線に多くある。

 ―沿線住民に求めることは。

 JRからの経営分離は住民の願いで行われるものではないために、「鉄道はお上のおかげで継続していく」という考えを持ってしまう住民も多いのではないかと心配している。自分たちの地域の足をしなの鉄道に託し、経営してもらうのだと思ってほしい。住民の皆さんには、これまでより3回多く乗車してほしい。乗る機会のなかった人は3回、年に20回乗る人は23回。そうすることで、地域の公共交通を残す活動に協力できる。