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40 破風岳 土鍋山 ~北アや上州の山並み一望~

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 快晴に恵まれた10月下旬の土曜日、長野・群馬県境の破風岳(1999メートル)と、隣接する土鍋山(2000メートル)に登った。

 前日、山仲間のT氏から「天気もよさそうだし、あす山に行かないか」とお誘いがあった。紅葉最盛期でもあり、渡りに船だった。

 標高差1メートルの破風岳と土鍋山は、ふだんは静かな山だが、1999年と2000年には脚光を浴び、全国からの登山者でにぎわったようだ。

 T氏の車で長野市を8時に出発。須坂市から高山村へ入り、山田温泉の手前で県道を右折し、万座温泉方面へ。紅葉名所の松川渓谷に隣り合う谷筋だけに木々の彩りが美しい。

 途中で万座方面と分かれ、毛無峠に駐車。群馬県側の直下には、かつて硫黄採掘で栄えた小串鉱山の跡がよく見える=写真下。ここから長野電鉄須坂駅まで、リフトで硫黄を運搬したという鉄塔がまだ何本か残っている。

 9時半に登り始め、一面のササ原を進む。30分ほどで破風岳と土鍋山の分岐に達し、最初に土鍋山に登る。

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 しばらく歩くと、五味池破風高原からの道と合流する。昨年6月、山ツツジを見に来て破風岳を目指したものの、雨と霧で引き返した登山道だ。

 鞍部(あんぶ)を過ぎると、樹林の中の急な上りになる。何度も木の枝につかまって体を持ち上げ、一汗かくと山頂部に出た。登山者は一人もいない。眺望は破風岳の方が良いため、標柱の下でひと休みしてすぐ下りに入る。

 だが、少し戻ったところで道がなくなってしまった。そのまま藪に入り込み、抜け出そうとあがくうち、「迷った時は上に」の鉄則を思い出した。何とか元の道にたどり着くことができたが、ここで20分ほどロスしてしまった。

 再び来た道を戻り、1時間後に破風岳の山頂に。ここからの展望は素晴らしい。西側は、白馬岳から乗鞍岳まで北アルプスを一望。最南端の御嶽山は噴煙まで見えた。

 南には根子岳と四阿山が鎮座。東は白根山から浅間山まで望め、遠く赤城山や榛名山など上州の山並みが続く。山頂で昼食を取り、北側の御飯岳(おめしだけ)(2160メートル)を間近に見ながら毛無峠へ。

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 さえぎる物のない峠では、愛好者たちが無線操縦のグライダーを飛ばしていた。ここまでオートバイで上がってくるライダーたちもいる。帰路は小布施で温泉に立ち寄り、15時過ぎには帰宅した。
(2014年11月8日号掲載)

=写真=毛無峠から望む破風岳(右上が山頂)
 
中高年の山ある記