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059 グリンデルワルト周辺 シーニゲプラッテ ~人気のかわいい登山電車で~

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 標高1967メートルのシーニゲプラッテへは、旧型機関車と木製座席で、赤を基調にしたかわいい電車で登る。ディズニーランドに例えるなら「イッツ・ア・スモールワールド」タイプの世界。絵はがきに紹介される1番人気の登山電車である。

 出発はヴィルダースヴィル駅。シーニゲプラッテまで7・25キロの路線だが、高度差は1380メートルもある。ブナが茂る急斜面を行くと、やがてモミの木が増えて高度差が分かってくる。途中駅のブライトラウエネンが機関車の給水所だ。

 やがて2度目の180度の方向転換を過ぎ、トンネルに入る。暗闇を抜けた瞬間、ユングフラウの連山の姿が望める。この絶景に乗客は叫んだり、カメラを取り出したり。

 40分ほどで終点のシーニゲプラッテ駅に着く。ここの見どころは、まずアルプス・ガーデン。エーデルワイス、アルペンローゼとトランペット・リンドウのアルプス3大名花をはじめ、ホタルイカにも似たブラダー・カンピオンなど、日本とはちょっと違う高山植物が、整備されたコースに群生している。

 もう一つは、ここから20分ほどの登りを行き、ゲンミホルンやファウルホルンから見える一大スペクタクルだ。眼下にトゥーンとブリエンツの2つの湖。まさに「湖の間」を意味するインターラーケンの町がよく見える。

 私は3回ほどここに来たが、今回は1組の夫婦と、近くのモダンなホテル兼レストランの2階テラス席に座って1時間も山並みを楽しんだ。ご主人は「いやー、これを見ただけでもう十分満足」と、コーヒーをうまそうにすすった。

 ゆったりしたカフェ休憩はぜいたくな時間だ。売店に入った奥さんが、かわいい物を見つけた。小さいハート形のエコバッグだった。格安だったので、彼女は10個、私もつられて5個、土産に買い求めた。

 予定を遅らせて帰りの電車に乗った。みんな幸せそうだった。女性の車掌がにこにこ笑いながら、私たちに日本語で話しかけてきた。「私ね、日本人が大好き」。理由を聞くと、「日本人は礼儀正しくマナーもいいの。だから日本語を独学で勉強しているのよ」と話してくれた。
(2015年2月14日号掲載)

=写真=シーニゲプラッテへ向かう登山電車


 
ヨーロッパ美の旅