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15年4月 身近になった富山湾 春の風物詩「蜃気楼」

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 新幹線が金沢まで開通して、富山県がさらに身近になりました。富山には白エビやホタルイカ、チューリップなど、春の楽しみがいろいろあります。「富山湾の蜃気楼(しんきろう)」もその一つです。

 蜃気楼は、大気中の温度差によって、光が屈折を起こし、虚像が見える自然現象です。「反転」と呼ばれる実景の上に反転像が重なる形、実際より高く伸びる「伸び」と呼ばれる形、風景や船などが縮んで見える「縮み」があります。

 同県魚津市の魚津埋没林博物館によると、蜃気楼の発生しやすい気象条件は、(1)4月から5月(2)午前11時ごろから午後4時ごろ(3)気温が18度以上の暖かい日(4)風が北北東の微風(5)移動性高気圧の中心が本州の東に抜ける気圧配置で、当日は晴れて、翌日ごろから天気が崩れそうな日。例年10回から15回ほど発生するといいます。

 蜃気楼は富山湾のほかに、琵琶湖や猪苗代湖などでも観測できます。また、鎌倉時代に成立した歴史書「吾妻鏡」によると、1251年3月に諏訪湖でも見られたという記載もあります。ただ、富山のようにほぼ毎春出現し、しかも回数が多いのは世界でも珍しいそうです。

 富山は新幹線で50分足らず。双眼鏡と望遠レンズ付きのカメラを持って、春の風物詩を見に出掛けてはいかがでしょうか。
(2015年4月25日号掲載)

=写真=蜃気楼で異様な形になった新湊大橋(魚津埋没林博物館提供)
 
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