
マツダオート長野に赴任してすぐの1988年、小瀬勝弘さんと、「くじけない・たくましい・力強い」子どもを育てたいと、裾花FCを設立しました。
マツダオート長野本社近くにあった裾花小学校の校長先生にお願いして、同校の子どもたちと、周辺を通学エリアにしている小学生を対象にしました。同小のグラウンドで練習させてもらう許可もいただき、スタートしました。父母の会のみなさんからも次第に、支援、協力をいただけるようになりました。
指導者も輩出
また、総監督の吉田和幸さん、裾花FC社会人チーム監督の宮入勉さん、ヴィエントジュニアユース監督の河合広さん、フットサルテクニカルコーチの菅原基信さん、そして、クラブ全体代表の宮下公秋さん、前代表の勝田文章さんらを柱に多くのみなさんの尽力があり、少しずつクラブ全体が整ってきました。心から感謝します。
卒団生は400人になりました。年代別の思い出、印象的な試合が限りなくあります。松商学園や上田西、前橋育英高校(群馬県)に進んだ卒団生が全国高校選手権に出場し、裾花FCの関係者が一同そろって、精いっぱい応援したことを思い出します。
このうち、西村陽介さんは3年間、オランダ2部リーグで、プロ選手としてプレーしました。その後、本格的に指導者の道を歩み出しました。A級資格を取り、日本サッカー協会のナショナルトレセンコーチとして、昨年から女子の北信越を担当し、今年からエリートコーチも兼任しています。卒団生の中から日本で活躍するコーチが出てきたことは、裾花FCの後輩たちにも大きな希望を与えてくれました。
また、信大大学院生だった福富信也さんが、熱心にヴィエント裾花の子どもたちを教えてくれました。チームワーク、組織力の専門家で、横浜マリノス、東京ヴェルディ小山で指導し、現在は東京電機大学講師で、サッカー部の監督を務めています。Jリーグチームの監督ができるS級ライセンスの講座を受け持っています。
人材を育てたい
彼は一昨年、「『個』を生かすチームビルディング」という本を出しましたが、今秋には第2作が出る予定です。さらに教育界、サッカー界で大きく羽ばたいてほしいと思います。彼らに続き、夢や希望の実現を目指す人が出てくることを願い、私も経験豊かな人材を育てていきたいと思います。
子どもは無限の可能性を秘めています。特徴を見つけて、良いところを伸ばすことで自信を持たせ、意欲的に取り組ませる好循環を常に生み出すように心がけています。
(2015年5月16日号掲載)
=写真=2006年の全日本少年県大会で準優勝したメンバーや保護者、コーチら
◆裾花FCの歴史
1989年:父母の会設立、北信少年リーグに参加
97:10周年記念行事、川淵三郎さん招く
98:フットサルで県初制覇、全国大会へ
99:中学生対象の「ヴィエント裾花」設立
2000:少年11人制コカコーラ杯長野大会優勝
06:全日本少年県大会準優勝(07年も)
07:20周年記念パーテ<SPA CLS=REL WD=-5>ィー、鬼武健二さん招待
09:チラベルト杯少年県大会準優勝
社会人チーム設立
14:北信社会人1部リーグで初優勝