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41 光城山 長峰山 ~花と北ア・安曇野を大展望~

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 今年初めての山行として4月最後の土曜日、安曇野市の光城山(ひかるじょうやま)(912メートル)と、隣り合う長峰山(933メートル)に登った。

 本年度から、ながの東急百貨店カルチャースクールの新規講座「里山を歩こう!」のスタッフを務めることになり、第1回がこのコースだった。

 講師は、以前本紙で連載した古希の記念に北アルプス全山単独縦走の経験を持つ野崎公夫さん(72)。会員は40~70代の男女25人。この日はスタッフを含め28人が参加した。

 7時過ぎに、ながの東急百貨店前を中型バスで出発。長野道を安曇野インターで降り、田沢橋を渡って国道19号を北へ。新興住宅地脇の光城山登山口で、準備体操をして8時半に登り始める。

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 この山には、鎌倉時代に地元の光氏によって築かれた城があった。登山道の両脇には桜の木が植えられ、開花期には「ピンクの竜が天に昇る」と例えられるように、下から上へ花回廊が出現する。この時季に人気の山とあって、登山者も多い。

 急坂をジグザグに登ること1時間。今年は例年より1週間以上も開花が早かったため、目当ての桜はほとんど散り、花は最上部で見られただけ。それでも、足元には薄紫のタチツボスミレが咲き乱れ、馬酔木(あしび)に似たドウダンツツジの白い花が目を楽しませてくれた。

 城址(じょうし)のある山頂で北アルプスのまだ白い山並みを眺め、大休止の後、次の長峰山へ向かう。車も通る舗装された林道を避け、山中に設けられた遊歩道を進む。採るには早いものの、タラの芽やコシアブラなどの山菜を見かけた。

 約1時間で、裏手から長峰山の山頂へ。突然、視界が開けると、目の前に雪の常念山脈、眼下に安曇野の大展望が現れた。会員から「すごーい景色!」と歓声が上がる。

 頂上には、数年前に訪れた時はなかった高さ10数メートルもある木製の展望塔があり、塔の上からの眺望はさらに迫力がある。かつて川端康成、井上靖、東山魁夷の3人の巨匠が、ここからの眺めを楽しんだのもうなずける。

 満開の桜の下で昼食を取り、広々とした芝生の上で昼寝を楽しむ。目を開けると絶景が広がるのは、この上ないぜいたくだ。

 帰路は山桜や樹間から眺めを楽しみながら下る。里近くで見かけたムラサキヤシオツツジの鮮やかな赤色が目に残る。迎えのバスが待つ安曇野市明科にある長峰荘で汗を流し、15時過ぎには長野へ戻った。
(2015年5月16日号掲載)

=写真1=光城山の山頂直下、桜の花回廊の中を登る
=写真2=長峰山から安曇野の大展望を楽しむ
 
中高年の山ある記