MRIは「Magnetic Resonance Imaging(マグネティック・レゾナンス・イメージング)」の略で、日本語では「磁気共鳴画像」といいます。強力な磁石と電波(FMラジオで使われる電波)を使い、体内の状態を画像化する検査です。
特長として、造影剤を使わずに血管を撮影できること(ただし、撮影部位により制限があります)、X線撮影やCT検査のように放射線を使用しないため、被ばくしないことが挙げられます。
ただし、撮影中には工事現場のような大きな音がするため、市民病院では患者さんに耳栓やヘッドホンをしてもらいます。また、検査は狭い空間に寝て受けてもらわなければなりません。狭い空間が苦手な人は、検査ができないことがあります。
事前準備と注意点
MRI検査では、検査室内では外すようにお願いしている物があります。磁気カードや補聴器、時計、貴金属、使い切りカイロや金属の付いている下着などです。これらは、機器やMRIの故障、発熱によるやけど、検査画像の不良などを起こす可能性があります。
体内に金属製品(脳動脈クリップ、心臓用ペースメーカー・ステント、人工関節、鍼灸針など)が留置されている人も、検査前の問診の際に必ず申し出てください。
検査方法と時間
MRI検査では、体内から放出される極微小の信号を検出するために、受信コイルを使います。撮影部位によっては、受信コイルを患部に固定して検査を行うこともあり、あお向けか、うつ伏せの状態で検査を行います。
検査時間は検査部位、検査内容や造影の有無によって異なりますが、当院では30~60分ほどかかります。

さまざまな画像診断検査の中でも時間のかかる検査であることを理解し、協力していただきたいと思います。
(2015年5月30日号掲載)
=写真=小林昌樹(診療技術部放射線科主任=診療放射線技師)