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15年08月 赤トンボに秋の気配 激減する日本の象徴

 一時期の猛暑も落ち着き、少しずつ秋の気配が感じられるころになりました。

 長野地方気象台で、9月に入ってすぐに観測されるのが「アキアカネ(赤トンボ)」です。日本にはおよそ20種類の赤トンボがいて、その中で最も知られているのがアキアカネです。

 アキアカネは6月に平地の沼や池で孵(ふ)化した後、山に移動します。気温が30度以上の暑い地では生息できないため、夏は涼しい山で過ごし、山の気温が10度を下回るようになると、里に下りてきます。山にいるころの体は黄色ですが、里に下りてくるころには赤く変わります。気象台では、体が赤くなったのを初めて見た日を観測しています。

 20年ほど前まで、アキアカネは日本の至る所で見られましたが、2000年前後を境に、1000分の1以下にまで数が激減しているのだそうです。田んぼが減るなどの環境の変化や、新しい農薬の使用などが理由のようです。

 トンボは、その昔「秋津(あきつ)」と呼ばれ、日本が「秋津洲(あきつしま)」と呼ばれるほど、日本を象徴する生き物でした。時代が進んでも、トンボがいるのどかな秋の風景を残していきたいですね。
(2015年8月29日号掲載)

 
松元梓の四季彩々