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16年3月 言い得て妙の言葉 「山笑う」華やかさ

 気象の仕事をしていると、美しい言葉に度々出合い、その都度書き留めていると、ずいぶん増えてきました。これもその一つです。

 山笑う、山滴る、山粧(よそお)う、山眠る。

 もともとは、11世紀の中国の画家、郭煕の画論「山水訓」から引用された言葉で、今ではそれぞれ季語として使われています。季節ごとに表情を変える山を、擬人法を用いて表現しており、どの季節の形容も言い得て妙です。

 春の「山笑う」からは、木々が芽吹き、桜をはじめとする春の花たちが咲く華やかな様子が伝わってきます。

 今年の春はエルニーニョ現象が弱まりながらも続くと予想されているため、平年より暖かい日が多くなりそうです。桜もいつもの年より早く咲き始める見込みですが、寒暖の差が大きくなりそうなため、お花見の計画は気象情報を確認しながら進めるとよさそうです。

 ちなみに、桜は100メートル標高が上がるごとに、開花が2、3日遅れると言われていますので、長野の山々では里で開花してから2、3週間で咲き始めそうです。
 眠りから覚めて笑う春の到来が楽しみですね。
(2016年3月26日号掲載)
 
松元梓の四季彩々