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17 皇太子ご夫妻訪米 ~日程短縮で8日間に 友好増進果たされる~

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 皇太子ご夫妻(現在の天皇、皇后両陛下)は、1987(昭和62)年10月3日から10日まで米国を訪問され、私は随員としてお供しました。日程は当初、ボストン、ワシントン、ニューヨーク、チャールストン、カリフォルニア、ハワイで、事前のご進講を行い、日程の詳細まで詰めていました。

 しかし、天皇陛下が9月10日、栃木県那須でご不例(病気)となり、13日に宮内庁病院でエックス線検査の結果、十二指腸末端から小腸にかけて通過障害があることが判明。22日にバイパス手術を受けられました。

 美智子さまの母親である正田富美子さまも病気であることから、訪米の日程をボストン、ワシントン、ニューヨークの8日間に短縮しました。結構きつい日程になりましたね。

副大統領とテニス
 ニューヨークのホテルで、お母さまの状態が思わしくないとの連絡を受け、美智子さまが柱にもたれかけておられた姿が印象に残っています。富美子さまは翌年5月28日に亡くなりました。

 最初の訪問地ボストンで、皇太子ご夫妻はライシャワー元駐日大使邸に泊まられました。ワシントンではレーガン大統領夫妻主催の夕食会。その後、駐米大使公邸での答礼晩さん会が開かれました。

 私はこの晩さん会で初めてブッシュ副大統領に会いましたが、にこやかな感じで、握手した手が柔らかでした。

 皇太子さまはテニス女子プロのパム・シュライバーさんと組み、ブッシュ副大統領、シュルツ国務長官ペアとダブルスを行い、皇太子さまたちが勝ちました。ニューヨークでは、コロンビア大学やジュリアード音楽院、テレビ局、ハーレムなどを訪問されました。

 当時、日米関係は経済摩擦があり、米国の対日感情は必ずしも良くはありませんでした。この訪問により、両国の友好親善関係の増進に大きな役割を果たされたと思います。

 浩宮さまのお世話はさまざまでした。美術館やコンサートなどへお出掛けの場合、事前に現地に行き先方の関係者と打ち合わせをします。当日の順路、ご休所、出迎え、見送り、先導、説明、プレスの取材要領などです。

 86年の秋、上野の国立西洋美術館で開かれた英国の風景画の巨匠ターナー展を浩宮さまが鑑賞されることになり、そのお供をすることに。打ち合わせが9月18日でしたが、その日に次女が誕生。美智子さまからお祝いの人形をいただきました。
冬季国体にお供

 88年1月、群馬県伊香保町で開かれた第43回冬季国体のご臨席にもお供しました。東宮御所から車で伊香保へ行きましたが、このような場合、浩宮さまが運転手の後ろの席でその隣に私が座ります。車に乗る時は浩宮さまが先、降りる時は私が先になります。

 この国体では国土計画(現在コクド)の堤義明社長が出迎えや競技の説明をしました。国土計画が幾つかスキー場を所有していると聞き、レセプションの席で堤さんにどんなスキー場なのか質問しました。今思えば赤面の至りです。堤さんとは後年、何度か会うことになりました。

 浩宮さまは国体ご臨席の後、前橋市の生涯学習センターなどを視察。同センターでビオラを演奏されました。
(聞き書き・船崎邦洋)
(2016年10月1日号掲載)

=写真=コロンビア大であいさつされる皇太子さま(左)
 
竹元正美さん