記事カテゴリ:

57 御座山 ~鎖場を登り崖上の山頂へ~

56-yamaaruki-1008p1.jpg
 長雨が続いた9月の最終土曜日、カルチャースクール「里山講座」の一行と佐久の名山・御座山(おぐらさん)(2112メートル)に登った。南相木村と北相木村境にそびえ、どっしりとした山容から「神が御鎮座まします山」といわれるようだ。

 7時に長野市内を中型バスで出発。上信越道から中部横断道佐久南インターで降り、国道141号を南下。小海町から南相木村へ入り、9時半過ぎに栗生(くりゅう)登山口から登り始める。

56-yamaaruki-1008p2.jpg
 沢沿いのカラマツ林の中の急斜面を、ジグザグに切ってある道を登る。音を立ててすぐ脇を流れ下る渓流は、前日まで雨が続いていたのに濁りがない。

 休憩を取りながら1時間ほど歩くと、不動滝に。普段は水量が少ないらしいが、この日はたっぷりの水が高さ10メートルほどの岩壁から落下。滝の下で、不動明王が彫り込まれた石仏が飛沫(ひまつ)を浴びていた。

 その先からは、キノコを採りながら進む人も。雨上がりとあって、至る所に出ているが、ジコボウ(ハナイグチ)とアミタケに絞って採る。「こんな珍しいのがあった」と、軸が20センチほどもあるマイクのようなキノコが回ってきた=写真下。

 登山道は次第に険しさを増し、岩場を巻くようにして長い鎖場を登る。1人ずつ登らないと危険なため、下部は渋滞となり、登り詰めるのに時間がかかる。

 ようやく全員が登り終え、しばらく進むと石の祠(ほこら)がある小ピークに。そこからいったん下り、上り返すと、避難小屋が見えてきた。

 小屋の中に荷物を置き、空身になって岩の上を山頂部へ進む。目がくらむような崖の上に、鉄剣が置かれた石の祠と木製の頂上標識が立つ。狭くて5人ほどしかいられないため、交代で登頂する。

 晴れていれば、目の前に八ケ岳を一望できるはずだが、あいにくガスが巻いていて眺望が利かない。それでもガスが切れると、雲間に緑の佐久平が望めた。

 避難小屋に戻って昼食を取り、早々に下山を開始。帰路は北相木村の白岩登山口へ向かう。頭上を覆うシャクナゲのトンネルが見事だ。初夏の開花時は、さぞきれいなことだろう。

56-yamaaruki-1008m.jpg
 途中で登山道は大岩にぶつかり、谷側の林の中に迷い込むハプニングも。元へ戻ったところ、大岩を乗り越えて進むルートだった。やがて雨が当たり始めたと思ったら、本降りに。慌てて雨具を着込み、傘を差しての下山となった。

 下山口で待っていたのは、来た時とは違うバス。聞けば、農道で泥にはまって脱出できなくなり、長野から代替バスを呼んだという。南相木村の滝見の湯で汗を流し、長野に戻った時は20時を回っていた。
(2016年10月8日号掲載)

=写真=険しい岩の上を進み交代で狭い山頂へ

 
中高年の山ある記