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25 音楽交流 ~フルート楽団が訪問「日米つなぐ音色」に

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 日本のフルートオーケストラ「ロフェリー・フラウテ」のメンバー25人が、私がヒューストン総領事在任中の2000(平成12)年11月、ヒューストンを訪問しました。地元のフルートクラブとの合同演奏会や、ホームレス救済と少年保護観察の二つのセンターで慰問演奏を行い、クラシックや日本の曲など27曲を披露しました。

 合同演奏会は、会場の外で立ち聞きする人が出るほどの盛況でした。聴衆に感銘を与え、アンコールの演奏では私もアルト・フルートで参加しました。ブラウン・ヒューストン市長は楽団を率いるかんそうじ(菅宗次)先生を名誉市民として表彰し、親善大使に任命しました。

五嶋みどりさんらも
 この公演は日本や地元の新聞で「フルートの音色 日米つなぐ」などと報じられました。私は受け入れのため、会場選び、曲の選定、寄付、各方面との打ち合わせなど、準備をしました。

 ロフェリー・フラウテは、日本のフルート界の草分け的存在である菅先生が指揮するアマチュアのフルート愛好家の集まりです。1973年に結成され、楽団名はラブリーとフルートをドイツ語とイタリア語風にもじっています。私は途中から参加しました。メンバーは100人以上でした。菅先生亡き後も活動を続けています。

 同じ11月に、著名なバイオリン奏者の五嶋みどりさんがヒューストンで公演をしました。総領事公邸でお茶会を催したところ、後日、五嶋さんから丁重なお礼のメールが届きました。公邸などに招待しても、お礼をしてくる人はまれにしかいません。五嶋さんは礼儀をわきまえたお方だと思いました。

 私がヒューストンを去る直前の01年5月13日には、大和田葉子さんのフルートコンサートが開かれました。大和田さんは国際的なフルート奏者の一人です。前日は大和田さんの誕生日で、私の結婚記念日でもありました。

 前夜祭のディナーコンサートには、佐々木嘉和オクラホマ大学名誉教授夫妻も出席し、感謝の言葉と記念品をいただきました。米国留学時にお世話になったグロスチン夫妻もニュージャージーから駆けつけてくれました。

 この二つの行事のため、日本人会、日米協会、日本商工会議所、ヒューストン大学などと準備を進め、関連企業などから寄付をお願いしました。

クライバーンさんと
 話が前後しますが、2000年3月、ダラスで日米協会の年次夕食会が開かれ、私は乾杯のあいさつをしました。この機会を捉え、近くのフォートワースに住む有名ピアニストのバン・クライバーンさんを訪問しました。

 クライバーンさんは大変快活な方でしたね。昭和天皇、皇后両陛下の米国訪問の際、ホワイトハウスでピアノを演奏したとのことで、その時の大きな写真を掲げた部屋に案内してくれ「自分の宝物である」と言っていました。13年にがんのため78歳で亡くなりました。またハワイから来たピアニストのジニー・ティウさんの演奏は楽しい思い出です。

 文化交流を通じて日米間の理解を深めることも総領事館の仕事でした。音楽のほかに、人形浄瑠璃、日本舞踊、茶道、書道、生け花など、数多くの文化行事を行いました。
(聞き書き・船崎邦洋)
(2016年11月26日号掲載)

=写真=総領事公邸前で「ロフェリー」のメンバーと記念写真
 
竹元正美さん