104 陥入爪 ~主に足の親指に発生 治療は手術や矯正も~

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 爪の両脇の湾曲が強く、皮膚に食い込んで痛みが出る状態を「陥入爪(かんにゅうそう)」といいます。主に足の親指に発生し、ひどくなると化膿(かのう)したり、不良肉芽(ぶよぶよした赤い肉の塊)ができたりします。

深爪の人は注意
 爪の形態的な要因もありますが、靴による圧迫や爪切りの習慣が、陥入爪をより悪化させてしまいます。きつい靴や硬い靴を長時間履いた後、スポーツをした後などに、爪が当たっている部分の皮膚が痛くなった経験は多くの人がしていると思います。これが日常的に繰り返されると、本格的な陥入爪へと進展する可能性があります。

 深爪の習慣がある人も要注意です。皮膚に埋もれた深い部分を無理に切ろうとすると、かえって爪の端をとがらせてしまったり、誤って皮膚を傷付けてしまったりすることがあります。長期的には、深爪をすること自体が爪の湾曲を強くしてしまいます。

爪母含めて処理
 頻繁に痛む場合や、化膿しているときには手術が必要です。食い込んでいる部分の爪を切除すれば、症状は一時的に改善しますが、何カ月かたつと、必ず再発をします。

 再発させないためには、爪を作っている場所(爪母(そうぼ)といいます)を含めて処理する必要があります。フェノールという薬品で爪母を部分的に腐食させると、食い込む部分の爪だけが生えなくなります。術後は、しばらく軟こう処置をしてもらう程度で、生活には特に制限はありません。

 特殊なワイヤを爪に装着して形を矯正する方法も治療の選択肢の一つです。手軽で痛みがないのが利点ですが、どちらかというと、効果は一時的です。

 ただし、爪が比較的軟らかく、陥入爪が悪化する要因を取り除ける患者さんには大きな効果が出る場合もあります。治療の特性を理解した上で検討する価値のある治療法といえます。
(2017年1月14日号掲載)

=写真=滝  建志(形成外科部長=専門は形成外科全般)
 
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