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31 宮中儀式・行事 ~「三権の長」参列も 外交団に伝統を披露~

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 新年祝賀の儀は国事行為に当たる元日の行事です。皇族、三権の長(首相、衆参両院議長、最高裁長官)をはじめ、都道府県の知事や議長、外交団の長、宮内庁幹部、旧奉仕者などが祝賀に来ます。

 皇族方は「松の間」で1人ずつあいさつ。私は宮内庁幹部と旧奉仕者の両方で招待されているため、2度あいさつすることになりました。各国大使夫妻のあいさつは1カ国ずつ。私が国名と名前を告げて紹介しました。

 講書始の儀は1月に同じ松の間で行われます。人文科学、社会科学、自然科学の権威1人ずつが天皇、皇后両陛下に講義をします。

 歌会始の儀は1月中旬、これも松の間で開かれます。2万首近い詠進歌から10首が選ばれ、陛下と皇族のお歌に続き、入選者の歌が披講されます。

園遊会に2千人招待
 テレビで放映され、私の席は入選者の隣。入選歌が披講されている間、私の姿もテレビに映るので、緊張して座っていました。

 園遊会は春と秋に赤坂御用地で開かれます。宮内庁幹部、式部職総出でお迎えし、私は日本側の要人や各国大使夫妻(春のみ)を皇太子さまに紹介したり、先導したりしました。2千人前後が招待されます。

 模擬店のテントには焼き鳥、すし、サンドイッチ、飲み物などが用意されます。楽部が雅楽を演奏。宮内記者会が選んだ数人が、テレビで放映される場所で両陛下と会話を交わします。

 天皇誕生日祝賀は12月23日に行われます。祝賀の儀には皇族、三権の長らが参列し、「豊明殿」で昼食の宴会の儀があります。両陛下が退席される時、出席者の1人が「天皇陛下万歳」と唱え、全員が唱和します。

 続いて茶会の儀があり、各国大使夫妻が「春秋の間」に集まります。外交団長の祝辞、陛下のお言葉の後、懇談に移ります。私は両陛下と皇族方の後ろに控えてお世話する役を務めました。この日は一般参賀があり、2~3万人が皇居を訪れます。

 皇室は日本の伝統文化を継承しています。雅楽は宮内庁式部職に所属する楽部が宮中の儀式や園遊会などで演奏するほか、皇居内の楽部で春と秋に一般公開の演奏会を行っています。鵜(う)飼いや鴨(かも)猟、古式馬術も伝承し、外交団などに披露しています。

両陛下とテニス
 宮中祭祀(さいし)については、東宮侍従の時は皇太子さまのお世話をしましたが、今度は祭儀に参列して拝礼することになりました。重要な祭儀の時には皇族や三権の長も参列します。元旦早くの歳旦祭では、拝礼の後に酒と雑煮が供されます。

 紀宮さまが結婚された2005(平成17)年には、紀宮さまの両陛下へのプレゼントとして御所でプロの人たちも参加して音楽会が開かれました。私にも参加してほしいということで、清子(さやこ)さまにささげる曲をフルートで演奏しました。

 皇居内にはテニスコートが2面あります。私は休日などにテニス同好会の皆さんとプレーしますが、ある日、両陛下と私たち夫婦がダブルスの試合を行うことになりました。私よりも家内の方が断然テニスがうまいので、両陛下の打つボールのほとんどが私に集中しました。結果は両陛下の勝ちになりました。
(聞き書き・船崎邦洋)
(2017年1月14日号掲載)

=写真=天皇誕生日の「茶会の儀」(右から2番目の柱前でグラスを掲げているのが私)=宮内庁提供
 
竹元正美さん