しなの鉄道が開業20周年記念事業の一環として、大規模改修をした軽井沢駅。昨年10月に北口の旧駅舎がオープンし、今年3月に1階と3階の全施設が開業したので、訪れてみた。
同鉄道は軽井沢駅を、町の活性化の一翼を担う施設の一つとして位置付け、「家族三世代が楽しめる懐かしくて新しい駅」をコンセプトに、整備を進めてきた。設計は、鉄道車両や店舗のデザインを数多く手掛けてきた水戸岡鋭治さんによる。
列車を降りて改札へ進むと、橋上駅舎の前に十字架を乗せた赤いゲートが建ち、奥には真新しい木の建物が見える。リニューアル施設の目玉の一つ「森の小リスキッズステーションin軽井沢」だ。
床は全て板張りで、温かみがある。中央には「三びきのこぶた」をモチーフにした小屋や、金の茶室、組子障子が並んでいる。
さらに進むと、同鉄道沿線地域の果物や野菜など、特産物を販売するブース「小リスのマルシェ」がある。関東などから訪れる観光客に、沿線の魅力を発信、紹介しようという目的で、誘客効果も期待している。
一番奥には、滑り台や三輪車がある広いスペースや、プラレールで遊べる保存車両、施設内を走る「森の小リスでんちゃ」の乗り場などがある。休日とあって、親子連れ、孫連れの家族でにぎわっていた。
旧駅舎は、記念館として所有している軽井沢町から借り受け、喫茶店と待合室に改修された。ソファのつくりがゆったりとしていて、落ち着いてくつろげる。
橋上駅舎(3階)改札を出ると、横に広々とした店舗スペースがあり、多くの観光客が買い物をしていた。ここは商業エリア「しなの屋 KARUIZAWA」だ。沿線に本社を置く7店舗が出店。統一感があるデザインで、改札前が華やかになった。
観光列車「ろくもん」や、3月のダイヤ改正で設定された北しなの線からの直通列車で、生まれ変わった軽井沢駅へ行くのんびり列車旅もいい。
(森山広之)
上=「森の小リスキッズステーション」を走る「森の小リスでんちゃ」。
下=改札入り口にオープンした「しなの屋 KARUIZAWA」