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01サイクロン襲来 ~人々の強さを実感

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 南太平洋に浮かぶ小さな島々が連なる人口10万人余のトンガ王国に、看護師隊員として昨年10月に赴任しました。任地は首都ヌクアロファがある本島から、南東に40キロほど離れたエウア島です。

 日本をたつ前「トンガに2年間行ってきます」と周囲に伝えると、「アフリカの国か」と言われるほど、認知度は低い国です。けれども、こちらでは、日本人であると伝えるだけで「シアパニ!サイ!(日本人!いいね!)」と喜ばれるほど、国民だれもが日本のことを知っている親日国です。

 それもそのはず、小学校ではそろばんの授業があり、全国大会は優勝した子どもが日本に旅行に行くことができるという賞品付き。高校では日本語の授業があり、日本語のスピーチコンテストがあるほど。トンガ人にとって、日本は憧れの国なのです。

 そんなトンガで、主に本島と私が住むエウア島に2月12日の夜、サイクロン「ジータ」が襲いました。国家非常事態宣言も出され、一時は最高レベルであるレベル5まで発達し、直撃するのではないかとまで言われました。レベル5は免れたものの、60年ぶりのサイクロンレベル4が直撃しました。

 自宅にいるのは危険だという判断で、トンガ人たちが避難していた教会へ、一緒に避難させてもらいました。自分たちが大変な時なのに、外国人である私たちにまでちゃんと気を回してくれたトンガの人たちには感謝しかありません。

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 経験したことのない強い雨風が真夜中まで続き、朝起きて外に出ると、周囲の様子は一変していました。木々は倒れ、電線が落ち、崩壊している家屋が幾つも目に映った時、ぼうぜんと立ち尽くしたことは忘れられません。

 私の家屋は無事だったものの、家屋や商店などが全壊したり一部が崩壊したりした住民もいました。1カ月以上たっても、テント生活を余儀なくされている住民がいました。電気や水などのライフラインが絶たれ、ろうそくで生活をした時期もありました。

 しかし、トンガ人はとても強いのです。サイクロンの次の日には自分たちで家屋を直し、倒れた木々の片づけをし、数日後にはサイクロン前とあまり変わらない町並みになりました。自分たちの力で生活をする人々の強さを、あらためて感じさせられました。

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 活動を始めて、半年ほど。まだまだ現地の人々に助けられてばかりで、ボランティアとしての活動が何もできていないと痛感する日々ですが、少しずつトンガのためになる活動をしていきたいと思います。
(2018年4月28日掲載)

 酒井知美【さかい・ともみ】1990年、小布施町生まれ。須坂高校から都内の大学に進学。看護師、保健師免許を取得。千葉県内の病院に4年間勤務した後、2017年度第2次隊として、昨年10月から南太平洋のトンガで看護師隊員として活動中。

写真上=エウア島のメイン通り
下=下サイクロンで被害を受けた家屋を修理する人たち