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春07 ウラシマソウ ~大群落がひっそりと

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 サトイモ科テンナンショウ属の多年草。マムシグサの仲間の「ウラシマソウ」は、高さは30~60センチで、茎の下部から出た仏炎苞の中から伸びる長さ50~60センチの糸状のものが、浦島太郎伝説の「釣り糸」を連想させるところから和名が付いた。

 特有な形から山野草愛好家に人気だ。県は県希少野生動植物に指定し、条例で採取には知事への届け出を必要としている。県版レッドリストでも絶滅危惧Ⅱ類にランクされている。

 8年ぶりに、北信地方の里山の生育地に足を運んでみた。うっそうとした林の縁に小群落を形成していた。道路際で目に付きやすく、採取を心配していたが、前より生育面積がやや広がり、株数も増えた感じだ。健在ぶりにほっとした。

 「もっといっぱいある場所がある」と、希少種の保護や観察をしている「希少種の会」会長の南沢正史さん(68)。絶対に場所を漏らさないことを条件に、5月初旬に北信の別の生育地に案内してもらった。常緑樹に囲まれて薄暗いが、時折木漏れ日が差す。林床の低木や下草は刈り取っているのか、やぶ状態ではない。

 シダ類や雑草に交じって、糸を伸ばした仏炎苞のある株があちこちに点在。仏炎苞が互いに向き合ったり、直列に数株並んだり、3株ほどが固まったり。中には若い株を含むと20本を超す群落も。林内をほぼ見渡せる範囲に点在しており、株数は数え切れないほどだ。

 南沢さんが確認したのは6年前。毎年会員らと足を運び観察してきた。「今のところ、盗掘も見当たらず、群生地は少しずつ広がっている気がする」。地権者や地元の環境保護団体と連携し、定期的な監視や環境整備などをしていきたいとしている。
(2018年5月26日掲載)

写真=仏炎苞を向き合わせお互いに糸を絡ませ合うウラシマソウ=北信で5月初旬撮影
 
北信濃の動植物