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123 リアルト橋 ~郷愁を誘われる「富の橋」

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 イタリア・ベネチアの大運河、カナル・グランデに架かる橋は、サンタルチア駅前のスカルツィ橋、サン・マルコ運河に出る手前にある木造のアカデミア橋。よく知られているのが、中央に架かるリアルト橋だ。観光の目玉になっている。

 元は13世紀に架けられた木造の跳ね橋だった。周囲には金融機関や商品取引所があり、にぎわっていた。そのため、人々から「富の橋」と呼ばれていた。

 しかし、16世紀にパレードを見学する人たちの重みで崩落。石造りの丈夫な橋の再建を望む声が高まった。設計の一般公募には、あのミケランジェロも参加していた。採用されたのはアントニオ・ダ・ポンテ。完成は16世紀末。現在の石造りになった。

 当時は、両側が湿地だったために、大きく強固。アーケード部があるアーチ状の太鼓橋である。橋の下を船が行き来するのを考慮したのだ。現在も残る長さ48メートル、幅22メートルほどの堂々たる橋になった。水面からの高さは約7・5メートルにも及ぶ。カナル・グランデから橋の正面を見る形から、「白い巨象」というあだ名もある。19世紀末まで、大運河にはこの橋しかなかった。

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 橋の上は商店が2列に並び、それを挟んで3本の歩道が並んでいるのも興味深い。欄干にある花瓶形の手すりにもたれかかり、運河を行きかう水上バスやゴンドラを見ていると、東洋人ならずとも、ノスタルジックな気分にさせられるだろう。

 昼夜を問わず、人が絶えない橋だ。ライトアップされた橋をバックに、また、橋から運河を見下ろしても幻想的だ。

 橋の近くで土産物を商うジョゼッペさんは「ここはコスモポリタンの街。世界のほかのどこにもない街なのだ。屋上のテラスから運河を見下ろし、リアルト橋を見ると、ここが天国じゃないかと思うこともある」と誇らしげだった。
(2018年5月12日掲載)

上=大運河に架かるリアルト橋
下=リアルト橋の下を人々がゴンドラなどで行き交う
 
ヨーロッパ美の旅