記事カテゴリ:

18年4月「九十九夜の泣き霜」 ~5月も遅霜に注意を

0428tenkizu.jpg
 気象の仕事を始めて随分とたちます。住む場所によって天気の特徴が異なり、さまざまな発見や知識をもらっています。

 注意報、予報はその一つです。私は札幌でこの仕事を始めました。北海道を含めたほとんどの地域には「波浪注意報」と「高潮注意報」がありますが、長野県にはありません。海がない長野県では当たり前のことですが、海に関係する注意報が発表されることはありません。

 そして、今の時期、お隣の静岡県には全国で唯一発表されている予報があります。それは「遅霜予報」です。茶園業が盛んな静岡では、農家にとって霜が降りるかどうかは死活問題です。そのため、3月中旬から5月上旬にかけて、「霜注意報」とは別に、1日に2回、翌日の朝の気温と遅霜の有無を発表しています。

 長野県でも遅霜に注意を払っている農家は多いと思います。霜が降りやすいのは、よく晴れた朝です。気圧配置で説明すると、低気圧が日本付近を通過した後、大陸から寒気が流れ込み、移動性の高気圧が日本付近をすっぽり覆うような日に、霜が降りやすくなります。実際、2年前の4月はこの気圧配置で被害が大きくなりました。

 関東から西の地方には「八十八夜の別れ霜」という言葉が当てはまります。立春から数えて八十八日目(今年は5月2日)には霜に別れを告げられるという意味です。しかし、長野県の場合は5月に入ってからも遅霜に注意が必要で、「九十九夜の泣き霜」という言葉があります。少なくとも、5月いっぱいは遅霜に注意してください。

画像=県内の果樹などに遅霜の被害が出た2016年4月12日の天気図=気象庁ホームページから
 
松元梓の四季彩々