記事カテゴリ:

02 高い子ども死亡率 守る取り組みを広げる 

0602benan01.JPG
 「アフリカに行きたい」。そう漠然と思っていた理由の一つが、子どもです。映像や写真で見るアフリカの子どもに、なぜか特別に心を引かれていました。

 報道や広告で見るアフリカの子どもは、キラキラとした笑顔を向けてくる子もいれば、おびえたような目でこちらを見つめてくる子もいました。直接会っているわけではないのに、「会ってみたい」という思いがずっと胸にありました。

 ベナンに来てから子どもを見ない日はありません。家の外へ一歩出れば、母親の背ですやすや眠っている、裸で駆け回っている、地べたに座ってじゃれあっている―。そんな光景があふれています。

 村を歩いていれば、やっと言葉を話すようになった子が「ヨボ(現地語で白を意味し、外国人を指す)」と呼び掛けてきたり、名前を呼んでくれたり、手を振ってくれたりします。距離が離れている時にはずっと呼んでいるのに、近づくと照れてしまうのか、黙って見つめてきたり、大人の背後に隠れてしまったりします。私がじっと見つめると、泣きだすこともしばしば。子どもとのふれ合いは、私にとって日々の癒やしでもあります。

 ベナンの人口はおよそ1千万人、その16%が5歳未満です。一方で、1000人の出生数に対して100人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。「5歳未満児死亡率」は世界8位の高さです(ユニセフ世界子供白書2016:統計データより)。

0602benan02.JPG
 私が配属されている保健センターで毎週月曜日に行うワクチン接種には、たくさんの赤ちゃんがやってきます。しかし、センターまでの交通費が払えない、農作業が優先―など、さまざまな事情で正しくワクチンを接種していない例が多くあります。

 そうした住民のため、センターは村での「出張ワクチン接種」を行っています。ただ、これが定期的ではないためにワクチン接種が遅れるという現状もあるので、現在は「出張ワクチンのスケジュール管理」と「スケジュール通りの実施」を目指しています。

 また、保健センターで働く同僚から「栄養失調の子どもが多い」と聞きました。そうした子どもの早期発見やケアのために、村での身体測定と栄養失調検査を始めました。現在は限られた地域での実施ですが、これから範囲を広げていければいいと考えています。

 大きなことはできないけれど、今できることをやる中で、新たな取り組みを模索し続けていきます。
(2018年6月2日号掲載)

写真上=村を回って身体測定と聞き取り調査
同下=保健センターが取り組んでいる「出張ワクチン接種」で赤ちゃんに