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083 八海山 ~雪に阻まれ山頂部は断念

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 快晴に恵まれた11月3日の「文化の日」、山仲間4人で新潟県南魚沼市の八海山(はっかいさん)(1720メートル)に登った。越後の美酒の名で知られるが、古くからの信仰の山であり、山頂部の八ツ峰は鎖場が連続する岩峰が連なる。

 峰続きの中の岳(2085メートル)、越後駒ケ岳(2003メートル)とともに越後三山とされ、スリリングな登山が楽しめる山だ。

 5時に吉田の長野運動公園駐車場に集合。仲間の車1台に全員が乗って出発。国道117号で飯山市を経て栄村から県境を越える。津南町の先で同353号に入り、南魚沼市に向かう。この時季の沿線は早朝、霧が濃い。

 関越道の塩沢石打インターから1区間だけ高速を使い、六日町インターで降車。ロープウエーのある八海山スキー場を目指す。正面に見える八海山は、何とうっすら雪化粧している。想定外の冠雪だ。

 7時40分に山麓駅に到着。窓口で2000円の往復券を買い、8時始発のロープウエーに乗る。紅葉シーズンとあって、ゴンドラ内は登山者や観光客でぎっしり。窓から見下ろす平地は雲海に覆われている。

 標高376メートルの山麓駅から、5分ほどで1147メートルの山頂駅へ。駅前の赤い鳥居をくぐって階段を上ると、八海山の遥拝所だ。目の前に大きな山体がそびえる。

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 4合目のここから歩き始める。最初は雑木林の中の快適な道だが、雪解け直後なのか足元はぬかり、登山靴やズボンの裾はたちまち泥まみれに。所々に霜が残り、やがて積雪が現れてきた。

 1時間余で6合目の女人堂(にょにんどう)に。かつて女性はここから先に行くことを禁じられ、最後に遥拝して下った場所だ。北側は、すぐ右手に真っ白な越後駒ケ岳、その左側には所々雪をかぶった山並みの先に日本海が見える。

 休憩後、先へ進むと、雪はだんだん深くなる。日陰はアイスバーン状になっており、細心の注意が必要だ。危険を感じて仲間2人は引き返し、私ともう1人が目の前の薬師岳を目指す。岩場では肝心の鎖が雪で凍りついて使えない。

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 登り詰めた頂上からは、すぐ下に9合目の千本檜小屋。その上に八海山の核心部八ツ峰の最初のピーク地蔵岳がそびえ立つ。山頂には何人か、登山者の姿も見える。

 小屋まで下ると、大勢の登山者が休んでいた。この先の岩峰は命の保証がないため、ほとんどの人はここで引き返すようだ。われわれも雪の上で昼食にし、来た道を滑りながら下山。先に下った仲間と山頂駅で合流し、来年夏に再チャレンジすることにした。

 帰路、飯山の湯滝温泉に立ち寄り、千曲川の流れと対岸の紅葉を見ながら露天風呂で汗を流し、18時過ぎに長野に戻った。
(横前公行)
(2018年11月17日掲載)

写真上=薬師岳からの山頂部。この先に八ツ峰が連なる

写真下=山麓から仰ぎ見る八海山。紅葉と雪のコントラストが美しい
 
中高年の山ある記