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136 「ローマの休日」を巡る サンピエトロ広場 ~ローマ法王が信者に祝福

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 授業で、私が毎年教える英語のことわざがある。その一つが「Rome was not built in a day(ローマは一日にしてならず)」。古都ローマを訪れる観光客は多い。思い描くのは、名画「ローマの休日(1953年・アメリカ)。モノクロながら、色あせないのは驚きである。映画の舞台である観光名所を見ていこう。

 王女と新聞記者の恋を描いた映画の冒頭、「Roman  Holiday」とタイトルが出るが、実はここはローマではない。ローマの中にある独立国バチカンのカトリック教会聖地、サンピエトロ広場だ。

 大聖堂の前に広がるこの広場は長径240メートルで、南北に広がる楕円(だえん)形。毎日曜日の正午に、ローマ法王(信者にとっては教皇)がバルコニーから信者に祝福を与える。

 たまたま、私もこのシーンに居合わせたことがある。広場には世界から集まったあふれんばかりの信者たち。国は異なれど、ローマのシンボルには変わりない。映画の冒頭に使われたのもうなずける。

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 「ローマの休日」は、「90テイクマン」と何回も撮り直しをすることで知られた巨匠ウイリアム・ワイラー監督の作品。彼が抜てきしたのが新人のオードリー・ヘプバーン=イラスト=だ。監督は「アメリカなまりのない品のある新人」にぞっこんで大ヒット。彼女はアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得した。

 その後、「ティファニーで朝食を」「麗しのサブリナ」などで活躍。晩年はユニセフ親善大使として、貧困にあえぐアフリカの子どもの救済などに奮闘した。その活躍と透明感に、今でもファンが世界中にいる。

 お笑い芸人の「オードリー」も「華のある」彼女の名を冠したという。彼女が着こなしたジバンシーのファッションはとても流行したので、知っている女性も多いだろう。仕事仲間だった若い女性教員は、彼女のこのファッションにこだわり、私服としてよく着ていた。

 映画を見た生徒たちが口々に、「かわいい」「すてき」とオードリー・ヘップバーンをほめたたえたのは、予想以上だった。私も、新聞記者時代に、グレゴリー・ペックが演じた主人公の新聞記者をうらやましく思い、「あんな出会いがあれば...と考えたのも面はゆい記憶だ。
(高校英語講師)
(2018年12月22日掲載)

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写真=バチカン大聖堂から見たサンピエトロ広場
 
ヨーロッパ美の旅