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04 病気治療に薬草 予防で利用を模索

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 ベナンに来てから1年が過ぎました。幸いにも大きな病気やケガには見舞われていませんが、さまざまな要因で体調を崩すことはしばしばあります。そんな時に重宝するのが、日本から持ってきた解熱剤や鎮痛剤、胃腸薬といった薬です。

 日本では、体調が悪くなったら、薬局で薬を購入し、服用するのが当たり前。手頃な価格で購入できるものも多くあり、薬が身近な存在です。

 一方、ベナンでは、私たちが普段服用しているような薬は高価だと感じる人が多くいます。村に薬局はなく、医療機関の受診料は負担が大きいという人が少なくありません。

 そんな理由もあって、ベナンでは薬草を使った治療法が根強く残っています。住民に話を聞いたところ、病気にかかった時の治療法として薬草を用いるという声が多くありました。症状に合わせて薬草を配合して薬を作ってくれるお店があったり、市場の日には歩き売りしていたりするのをよく見掛けます。

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 ほかの協力隊員の任地を訪れた際、薬草を学ぶツアーに参加しました。レモンの果実、マンゴーの樹皮や葉、アロエなど、よく知られた植物も薬草として用いられていること、症状や薬草によって薬の作り方が異なり、予想以上に体系的であることに驚きました。

 ベナンでよくある病気と言えば「マラリア」です。この国は、ハマダラカが媒介する感染症マラリアの高感染地であり、死因、疾患の第1位です。住民からの聞き取りでも、ほとんどがマラリアにかかったことがあると答えています。

 マラリアは治療が遅れると、死亡することもあるとても危険な病気です。そのため、私たち隊員は、蚊帳や虫よけスプレーを使い、予防薬も服用し、細心の注意を払っています。

 けれども、住民には、虫よけスプレーや予防薬は高価で、なじみがありません。予防法は蚊帳を使用すること、蚊の繁殖しやすい環境をつくらないこと―くらいしかありません。

 そこで私たちが目を付けたのが、蚊を防ぐ効果があると言われる「シトロネラ」というハーブです。村には多く生えており、お茶にして飲むなど、比較的なじみのある植物です。

 自生しているハーブの中には、虫よけ効果のあるものが存在します。今は、主に「病気を治す」ために用いる薬草を、「病気を予防する」ために利用してもらえないか。後半の活動に向けて、これらの植物を防蚊に役立てるための新しい取り組みを模索しているところです。
(2018年12月8日掲載)

写真上=症状に合わせて薬を作ってくれる薬草の店

写真下=巡回先の保健センターに集まった母子たち