
日本人の死因の第1位はがんで、2人に1人が一生のうち一度はがんになるといわれています。
がんの予防に重要な要因として国立がん研究センターは、▽禁煙▽節酒▽食生活▽身体活動▽適正体重の維持▽感染―を挙げ、感染以外の生活習慣改善で、がんのリスクを減らせると報告しています。
では、この中の「食生活」は、具体的に何をどう気を付けたらいいのでしょうか。
まずは「減塩」です。塩分の取り過ぎは、胃がんのリスクを上げるとされています。
多い食塩摂取量
長野県の20歳以上の人の食塩摂取量は、男性が11・8グラムで、全都道府県のうち3番目に多く、女性は10・1グラムと全国で最多です(2016年国民健康・栄養調査)。これは、厚生労働省が定める1日の摂取目安量(男性8・0グラム、女性7・0グラム)を大きく上回っています。
漬物や塩辛など塩分の濃い食品は小皿に盛る、みそ汁は1日1杯にする、麺類のスープは飲みほさずに残す、しょうゆやソースはかけるのではなく付ける―などの工夫で、塩分の摂取を減らすことができます。
野菜と果物を
2つ目は「野菜・果物の摂取」です。野菜や果物の不足は、消化器系のがんや肺がんへの関連が指摘されています。
長野県民の野菜摂取量は全国1位で、野菜をたくさん取っている人も多いでしょう。1食の摂取量は、生野菜で両手分、ゆで野菜なら片手分が目安です。摂取量が少ないと感じる人は、そのまま食べられるトマトやキュウリ、レタスを取り入れたり、冷凍野菜やカット野菜を利用したりするのもいいでしょう。
果物も、毎日片手分程度は取るように心がけましょう。
肉に偏らずに
3つ目は、「加工肉・赤肉を取り過ぎない」ことです。加工肉とはハムやソーセージ、ベーコンなど、赤肉は、牛肉、豚肉、羊肉などです。これらの取り過ぎは、大腸がんのリスクを上げます。
ただし、これらの食品の中には、鉄や亜鉛、ビタミンB群など、体に必要な栄養素も多く含まれており、摂取は必要です。メインの料理を肉に偏らないようにして、魚介類や卵など、いろいろな食材を利用するようにしましょう。
これらの食生活はがんだけでなく、心疾患や脳血管疾患の予防にもつながります。できそうなことから、気を付けてみてください。
(2019年4月13日掲載)
山田 明子
栄養科主査=管理栄養士