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099 四阿屋山 ~北ア展望 屏風絵のよう

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 久しぶりに秋晴れとなった11月上旬の土曜日、山仲間3人で筑北村と麻績村境の四阿屋山(あずまやさん)(1387メートル)に登った。冠着山(かむりきやま)、聖山(ひじりやま)と共に「筑北三山」の一つとされ、山麓住民に信仰の山として親しまれている。

 菅平の根子岳と隣り合う「日本百名山」の四阿山(あずまやさん)(2354メートル)と同じ呼び名で紛らわしいが、こちらは「屋」が入る。南西側からの山の形が、あずまやの屋根のように見えることが山名の由来のようだ。

 旧筑北4村(麻績・坂井・坂北・本城)から山頂部の四阿屋山神社への登拝路(登山道)があり、毎年8月末の例大祭には各村から氏子が登り、共同で祭事を行っている。

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 8時過ぎに長野市内を車で出発。長野道を麻績インターで降り、旧坂北村の東山コース登山口へ向かう。林道に入り、途中の動物よけフェンスを自分たちで開け閉めして9時半ごろ到着。明るいアカマツ林の中を登る。

 ほどなく「御嶽石造物群へ」の看板が現れ、脇道を登って石像を見に行く。小さなピークの台上に、女性の神像3体と不動明王像が2体。村指定文化財の標柱が立っていた。

 再び登山道と合流し、しばらく進むとぬかるみ地帯に。湧き水の小さな池があり、その水が付近に浸透している。この先から尾根に出て急坂を登る。

 登山道脇のアカマツの木には、あちこちに「茸(きのこ)止め山 入山禁止」の紙がくくり付けられている。一帯はマツタケ山だ。こちらは登山が目的。何もそんなに掲示しなくても、と思う。

 尾根を登り詰めると、西側にぱっと視界が開ける。「四阿屋山展望台」の標識があり、横長に延びる北アルプスの山並みが屏風絵のようだ。足元の山村風景ともマッチして美しい。

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 手前の山名案内板には、北端の小蓮華山から南端の大滝山まで、北アの名だたる山の名が連なる。この近さで、これだけのスケールで北アルプスを望める場所はそうはないだろう。あまり知られていない絶景ポイントだ。

 雄大な眺めに見入った後、わずか登ると頂上だ。東西に広場が延び、北側にはブナの原生林が広がる。山頂から北に一段下がった所に四阿屋山神社の本殿と社務所を兼ねた建物があり、急な石段の下に鳥居が見える。

 山頂で仲間が入れてくれた熱いココアを飲み、草湯温泉コースを下る2人と別れ、私は登ってきた東山コースを1人で下る。途中、展望台でもう一度北アの眺めを堪能した後、登山口へ。

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 止めてあった車を草湯温泉冠着荘まで回し、既に下山していた2人と合流。冠着荘前のベンチで遅い昼食を取り、県道を青木村方面へ向かう。村境の修那羅(しゅなら)峠の安宮神社に立ち寄り、800体といわれる石仏群を見て、上田を経て長野に帰った。
(横前公行)
(2019年11月16日掲載)


写真上=北から南まで、北アルプスが屏風絵のように望める展望台

写真中=東西に広場が延びる山頂部

写真下=立ち寄った修那羅峠の石仏群
 
中高年の山ある記