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100 聖山 ~山頂では360度の眺め

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 小春日和に誘われ、11月上旬の土曜日に友人と2人で麻績村と長野市大岡境の聖山(ひじりやま=1447メートル)に出かけた。大岡側から山頂直下まで車で行けるが、麻績側から片道1時間ほどのトレッキングを楽しんだ。

 善光寺平から南によく見える冠着山(かむりきやま)の西側にある台状の山で、山頂部には大きなアンテナが何本も立っている。山名が示すように、かつては修験の山だった。

 8時半に長野市内を出発。長野道麻績インターで降り、坊平コースの登山口を目指す。なかなか道が分からず、途中で信濃三十三観音札所巡りの法善寺に立ち寄る。第一番札所とあって立派なお寺だ。

 ようやく探し当てた坊平地区で、畑仕事中の人に登山口を尋ねると、「先日の台風19号で土砂崩れがあり、登れない」という。仕方がないので、もう一つの三和(みつわ)峠コースから登ることにし、行き方を教えてもらう。

 山中にある大きな北山ダムの脇を北へどんどん上っていくと、聖湖から西側に入る聖高原道路に出た。別荘地の中をしばらく進むと、三和峠に。紆余(うよ)曲折があったため、11時ごろから登り始める。

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 いきなり急登になるが、道幅は広く土の道なので歩きやすい。いったん上ってしまうと、平たんになり、白樺林の中を快適に進む。

 ほどなく、南側からの坊平コースと北側からの聖山遊歩道が交わる聖峠に。南北の峠道は「松本街道」と呼ばれ、昔は牛馬も通ったという。

 一休みした後、再び急坂を上り詰めると、林の中にあずまやが現れる。そこを過ぎると、周囲はブナやナラの林に。深く切れ落ちた崖が続く麻績側は展望が開け、筑北の山や里がよく見える。

 間もなく、前方に大きなアンテナが見えてくると、もう頂上だ。山頂の草地に出ると、360度の眺望が広がる。中央に立派な一等三角点があり、四方に展望案内盤が設置されている。

 西側には、爺ケ岳や鹿島槍ケ岳、五竜岳など北アルプスの後立山連峰。北側には、斑尾山、飯縄山、黒姫山、妙高山、戸隠連峰高妻山など北信五岳が一望できる。

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 東側には、煙が上がる浅間山や四阿山(あずまやさん)と根子岳、志賀高原の山々。最も開けた南側には、先週登った四阿屋山(あずまやさん)が手前に控え、その先に蓼科山と八ケ岳。さらに霧ケ峰から美ケ原へ台状が延び、南西には中央アルプスも。

 南アルプス以外は、県内のほとんどの山々を見渡せる。何本も立つ無粋な無線中継塔がなければもっとよいのにと思うが、見通しが良いからこそアンテナ群が建てられているのだ。


 山頂で昼食を取り、1時間ほど眺望を楽しんだ。帰路は大岡へ下り、大岡温泉の露天風呂からもう一度北アの山並みを見て帰った。
(横前公行)
(2019年11月30日掲載)



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写真上=山頂から北側に望む北信五岳

写真中=山頂にある立派な一等三角点

写真下=南側には八ケ岳や美ケ原が見える
 
中高年の山ある記