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103 篠ノ井 茶臼山 ~白銀の北ア眺め春も満喫

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 好天だった3月上旬の土曜日、山仲間たちと誘い合って足慣らしに長野市篠ノ井の茶臼山(730メートル)一帯を歩いた。

 中尾山温泉から一本松を経て山頂に登り、自然植物園や恐竜公園を下って山麓を巡る周回コース。春の日差しを浴びながら快適なトレッキングを楽しんだ。

 9時過ぎに恐竜公園の駐車場に6人が集合。帰りの入浴のことを考え、中尾山温泉まで行って一本松コースから登ることにする。

 9時半に出発。間もなく正面に白い3本の尖塔が現れる。長野盆地の西側に多い裾花凝灰岩が風化した岩場だ。

 細く急な山道をしばらく進むと、舗装された林道に合流。その先から再び山道に入る。谷筋を登っていくと、石の祠が二つある山の神に。ここからはミズナラの林となり、落ち葉の中を登っていく。

 尾根に達すると、一本松の峠だ。昔は目印だったというアカマツは、今は朽ちて根元が残るだけ。傍らに立派な石祠の「雪州神社」がある。一帯の境界争いで勝訴した旧今井村の村長をたたえ、1937(昭和12)年に建立された。雪州は村長の号という。

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 ここから山頂までは平たんな尾根道だ。途中に「アルプス展望所」の看板があり、西側にわずか入ると目の前に大展望が広がる。額縁のような2本の松の木の間に、鹿島槍ケ岳を真ん中に右に五竜岳、左に爺ケ岳。その両脇も白銀の峰々が続く。

 この時季ならではの「圧巻」といえる北アルプスの景観だ。手前の集落や棚田などともマッチし見飽きない。

 登山道に戻り、少し先の分岐を左に入ると頂上だ。三等三角点があるだけで、周囲は林に囲まれ展望は利かない。まだ11時とあって下りに入る。

 途中、武田信玄が川中島の戦いを前に陣を張った場所「旗塚」を見に行く。いったん林道に出て急坂を登り詰める。少し下ると大きな石碑があり、その脇に旗を立てた土盛りが。

 すぐ後ろの有旅茶臼山(南峰)は、茶臼山(北峰)との双耳峰だったが、度重なる地滑りで崩壊してしまった。大規模な地滑り対策が施され、跡地を有効活用するために市が整備したのが自然植物園や動物園、恐竜公園だ。

 旗塚を見た後、植物園の中を通り、善光寺平を見渡す展望台のベンチで昼食に。土曜日とあって、その下の恐竜公園も親子連れでにぎわっていた。

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 恐竜公園からは、のどかな集落やリンゴ畑の中を歩く。春の陽光が降り注ぎ、早くも白梅、紅梅が咲いていた。到着後は「お見合い風呂」で知られる中尾山温泉松仙閣へ。

 どんな風呂かと期待して入ったところ、露天風呂の間仕切りに小さなお社風の扉が。女湯からだけ開けられる構造だ。我々が入っている間は、ついに「開かずの扉」だった。
(横前公行)
(2020年3月28日掲載)

写真上=アルプス展望所から望む白銀の北アの山々
写真左=山麓の恐竜公園は子どもたちに人気だ
 
中高年の山ある記