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108 離山 ~涼を求めて眼前に浅間山

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 連日の猛暑から逃れようと8月下旬、避暑地・軽井沢の離山(はなれやま=1256メートル)に登った。山頂からは眼前に大きな浅間山を望み、少し下った展望台から軽井沢の町並みを見下ろした。

 山仲間3人で7時に長野市内を出発。長野インターから上信越道を走り、小諸インターで降車。国道18号で軽井沢に向かう。

 中軽井沢を過ぎ、町歴史民俗資料館の駐車場に車を置く。すぐ近くにある旧近衛文麿別荘(市村記念館)を見に行く途中、水路にカルガモの親子が泳いでいた。瀟洒な旧別荘前には池があり、ひっそりとしたたたずまいが軽井沢らしい。

 9時15分に中央口コースを登り始める。木々の葉で覆われた林の中は涼しく快適だ。登山道の脇には、レンゲショウマの白い花や、朱色が鮮やかなフシグロセンノウ、赤い花穂をいっぱい付けたミズヒキが咲いていた。

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 「クマ生息地域」の看板を見て、ストックに熊鈴を付ける。3人で時折、笛を吹いたり大声を発して出遭わないようにする。

 山頂まで2200メートルのうち、1700メートル地点から先には100メートルごとに標識が立っている。傾斜が緩いせいか、100メートルは思いのほか短い。 

 450メートル地点を過ぎると、ジグザグの木道に変わる。板の上に滑り止めのサンドペーパーまで打ち付けられている。やがて山頂部を巻く作業道に達し、左へう回して急な丸太階段を上り詰めると頂上に出た。

 最初に、周囲を石の柵で囲まれた大きなコンクリート製方位盤が目に飛び込んでくる。脇にはコインを入れて見る望遠鏡も設置されている。

 北西に浅間山がどっかりとそびえる。あいにく山頂部は入道雲に隠されていたが、山麓には長いスロープが延びている。佐久平の向こうには八ケ岳が一望できるはずだが、かすんでいて見えない。

 直射日光を避け、日陰の登山道脇で昼食に。1時間余で登り切ったため、まだ10時半だ。周囲にはアゲハチョウが乱舞している。同行のNさんが抹茶をたててくれた。

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 ゆっくり休んだ後、東口コースを下る。山頂直下にあずまやと展望台があり、南東方面を見渡す。軽井沢駅南のプリンスホテルのスキー場やショッピングプラザが見え、後方に妙義の山並みが続く。

 簡易舗装された道をどんどん下って行くと、車止めのゲートに。さらに別荘地帯の森の中を下る。離山通りに出ると、アスファルトの照り返しがきつい。汗だくになって歩き、12時半に歴史民俗資料館駐車場に到着した。

 余裕があったので、風越公園内の町植物園に立ち寄り、ハギ、オミナエシ、マツムシソウ、キキョウなど初秋の花々を楽しんだ。
(横前公行)
(2020年9月12日掲載)

写真上=眼前に望む浅間山。残念ながら山頂には入道雲が

写真下=展望台から望む軽井沢の町並み
 
中高年の山ある記