
11月20日のまちあるきは、「季節の花束をつくる」がテーマ。門前から権堂の3軒の花店を巡り、各店で花を買って、最後に花束を作るという企画だ。前職で生花店に勤めていたというまちづくり長野の斎藤有希さんが案内人を務めた。
1軒目の「フルーミナ フルーミラ」は、東町の新小路沿い。シェアアトリエの一角にある。「花屋じゃないスタイルでできたら」と店主の込山聖子さん。「自分の好きな花を仕入れている」と言い、暗めの色をした珍しい花や葉物を多く扱う。現代的な美意識によるしゃれた雰囲気が魅力的だ。ここでは少しくすんだピンク色に表情があるカーネーションとユーカリの葉などを購入した。
2軒目は東町通りと表権堂通りを下り、権堂アーケード通り沿いの「花はタケダ権堂店」へ。本店は県町だが、権堂へ店を出して70年以上。お祝い用の明るい花から仏花まで偏りなくそろえ、大きな胡蝶蘭(こちょうらん)も目立つ。正統派の生花店であり、夜の店を彩るニーズに応えてきた土地柄も物語る。ここでは明るいオレンジ色のガーベラを入手した。
3軒目もアーケード通り沿い。長野大通りからすぐの場所にある「フローリスト ココボロ」は、店主の小林孝士さん自身が以前あったラーメン店を改装し、4年前に開店した。家族や仲間に贈る個人ギフトのお客が多いという。花店を開くことを目標に、それまで花に関わるさまざまな仕事を経験してした小林さんは、「作り手の顔が分かる花を使いたい」と仕入れにこだわる。ここでは佐賀県から仕入れた小花のサクラコマチを買った。
権堂町の秋葉神社近くにあるまちづくり長野の事務所へ移動し、斎藤さんの指導で花束作り。硬い枝のバラの実を軸に、メインのガーベラ、その周りにサクラソウや葉物をらせん状に組んでいく。参加者は1本ずつ異なる花の角度や茎の曲がりのために思うように組めず、四苦八苦。それでも最後に赤いラッピングペーパーでふんわり包み、完成させた。こんなしゃれた花束が自分にも作れるのだ―とうれしくなった。

花店の雰囲気や品ぞろえにこれほどの違いがあるとは気付かなかった。それぞれの店で花束を作ってもらい、その違いを味わうのも楽しそうだ。
(竹内大介)
(2020年12月12日号掲載)
写真上=フルーミナ フルーミラ
写真中上=花はタケダ権堂店
写真中下=フローリスト ココボロ

写真下=完成した花束