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117 小熊山 残雪の北アと木崎湖望む

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 梅雨入り前の好天が続いた6月上旬、大町市の木崎湖西側の小熊山(こぐまやま=1303メートル)に登った。下山後、その先の林道から木崎湖を見下ろし、残雪の北アルプスの眺めも楽しんだ。

 山仲間3人で7時前に長野市内を出発。五輪道路で小川村を経て白馬村に入ると、正面に鹿島槍ケ岳と五竜岳の姿が。国道148号に出て佐野坂トンネルを抜け大町市内へ。

 木崎湖湖畔のキャンプ場に着くと、道脇に「小熊山トレッキングコース」の看板が。ここから舗装された林道に入り、しばらく上って行くと登山口に。9時40分に金属製の階段を登り始める。

 いきなり急登が続く。西側は杉林で展望が利かず、東側の雑木林の間から、木崎湖の青い水面が見え隠れする。だいだい色のレンゲツツジが咲き始めていた。

 一汗かいて登り詰めると頂上だ。三等三角点と案内標識があるだけで、周囲は樹木に囲まれ眺めもない。10年以上前に登った時は、山頂近くにパラグライダーの離陸地と展望台があったはずだが...。

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 仕方なく北側の緩い登山道を下る。左右の新緑が美しい。木漏れ日が差すと、緑のシャワーを浴びている気分だ。コシアブラの葉を摘みながら足早に進む。

 途中、朽ちたベンチが二つ転がっていた。木が茂る前は、この辺から北アルプスがよく見えたのだろう。11時ごろには帰路の林道に合流した。

 時間に余裕があったので、こんなはずではないと、もう一度山頂まで登り返す。周辺を探すと、薄い踏み跡があった。たどると平らな場所に出たが、木が生い茂っている。地面には鉄骨が積まれたままになっていた。

 ここがパラグライダーの離陸地と展望台があった場所なのだ。長く放置されると、こんなにも変わるのだ。

 再び北側の登山道を下り、林道と合流して今度は登山口まで林道を歩く。時折、西側の林の切れ間から、北アルプスの山並みが間近に見える。

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 少し下ると、路上に1メートル以上あるシマヘビが横たわっていた。ストックでつついても動かない。よく見ると、頭を車にひかれていた。

 自転車で上ってきた男性に聞くと、合流点より北に木崎湖の眺めがいいパラグライダーの離陸地がある、と言う。登山口に戻って遅い昼食を取った後、車で林道を北へ向かう。

 しばらく進んであったのは、木崎湖フライトパーク。山を切り崩して新しく造成したパラグライダーの離陸地だ。眼下の木崎湖を目指して飛ぶ遊覧飛行もしている。小熊山の離陸地はここに移っていたのだ。

 さらに北へ進むと鹿島槍スキー場に。ここからは西側に鹿島槍ケ岳と五竜岳の大きな姿が。北側には遠く雨飾山や火打山、妙高山、戸隠連峰が望めた。

     (横前公行)

(2021年6月26日号掲載)


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写真上=林道沿いの林の切れ間から見る北アルプスの山並み

写真中=フライトパークから見下ろす木崎湖

写真下=スキー場から間近に望む鹿島槍ケ岳
 
中高年の山ある記