美女と野獣 ~実写版での映画化 躍動感とぬくもり~

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 美しく傲慢(ごうまん)な王子が魔女の怒りを買い、醜い野獣の姿に変えられてしまう。呪いを解くのは真実の愛だけ。魔法のバラの花びらが全て散るまでに、野獣を愛する者が現れなければ、王子は永遠に野獣のまま...。フランスの童話「美女と野獣」をアニメ化したディズニーが、新たに実写版で映画化した。

 おしゃれや恋愛よりも読書に夢中なベル(エマ・ワトソン)は、村人たちから変人扱い。娘たちにもてもてで、うぬぼれ屋のガストン(ルーク・エバンス)にしつこく求婚されても無視している。

 ある日、市場に出掛けたまま戻らない父親を探してたどり着いたのは、野獣(ダン・スティーブンス)の城だった。牢(ろう)に捕らわれた父親を救うため身代わりを申し出たベルに、城の調度品に変えられた召使いたちは、奇跡を起こす女性が現れたのでは―と、希望を抱く。

 1946年にフランスの詩人ジャン・コクトーが監督をしたことでも知られるファンタジー。91年のディズニー版は、アカデミー史上初めて、アニメで作品賞にノミネートされ、主題歌が歌曲賞を受賞。アラン・メンケンは最優秀作曲賞を受賞した。25年以上たっても色あせず、ミュージカルナンバーの素晴らしさに感動する。

 共に暮らすうちに野獣は少しずつ人間の心を取り戻し、ベルもまた野獣の意外な一面を知り、次第に心を通わせていく。ベルがゴージャスな黄色いドレス姿で踊るダンスシーンは夢見るようにロマンチックだ。技術の進歩が実写化を可能にしたというだけに、食器たちが空中を舞いながら晩さん会の支度をする豪華絢爛(けんらん)なシーンをはじめ、アニメさながらの躍動感があふれている。

 燭台(しょくだい)の給仕長はユアン・マクレガー、置き時計の執事はイアン・マッケラン、ポット夫人のエマ・トンプソンら、イギリスの名優たちが歌声を披露している。だが、何といってもベル役のエマ・ワトソンの澄んだ歌声に引き込まれる。

 アニメでは出せない人間のぬくもりが物語に寄り添う。ディズニーのこだわりが満載のミュージカル・エンターテインメントだ。
=2時間10分(日本映画ペンクラブ会員、ライター)
(2017年4月15日号掲載)

=写真=(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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