アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 ~見えない戦争の正体 現実と危険性が迫る~

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 戦争で無人攻撃機・ドローンの実用化が進んでいるという。「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」は、現代の見えない戦争の正体に迫る軍事サスペンスだ。まさに、私たちが今知るべき現実を描いている。

 英国諜報(ちょうほう)機関のパウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、英国籍でありながらイスラムテロ組織アルシャバブに属する重要指名手配犯の女を、何年にもわたって追跡していた。

 米軍の最新鋭ドローン偵察機を使った英米合同訓練の最中、ケニア・ナイロビの6千メートル上空を飛ぶ「アイ・イン・ザ・スカイ(天空の眼)」が、隠れ家にいる女とテロリストたちを発見する。市場に潜り込ませた現地工作員が隠れ家に飛ばした小さなドローンから送られてくる映像には、大規模な自爆テロを準備する姿が映されていた。 

 ロンドンの司令部で指揮を執るパウエル大佐は、被害を防ぐため、ピンポイント爆撃を即断する。だが、ミサイル攻撃の標的を定めた瞬間、市場にパン売りの少女の姿が映し出された。

 ターゲットを仕留めるために、罪のない少女を巻き添えにしていいのか―。攻撃許可を下す英国内閣会議室、米ホワイトハウスが、それぞれの思惑で協議する中、実際にドローンを飛ばす米空軍基地のドローン・パイロットチームは命令に困惑する。

 正義かモラルか。決定するのは「天空の眼」が映し出す戦場を、遠く離れた安全な会議室のモニターで見ている政治家や軍人たち。刻々とタイムリミットが迫り、登場人物が直面する葛藤(かっとう)に、一般市民を巻き込むテロの恐怖を知る観客も答えに迷う。観客に投げ掛けた問いこそが、監督のギャビン・フッドが望んだことだという。

 米トランプ政権がシリア空軍基地へミサイル攻撃を行い、世界は常に戦争の脅威にさらされていることを実感した。この作品に登場する最新兵器にも驚かされる。技術が発達したことで、人間の命が数字でしかない戦争の現実と危険性がひしひしと迫ってくる。 
=102分
(2017年5月13日号掲載)

=写真= eOne Films (EITS) Limited

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