キング・アーサー ~斬新な映像スタイル ロケ地の美しい自然~

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 円卓の騎士、キャメロット城など、さまざまな伝説で知られるイギリスの英雄アーサー王。中でも有名なのは、王の証しである聖剣エクスカリバーを、岩から引き抜く場面だろうか。「キング・アーサー」は路地裏で育った貧しい青年アーサーが、運命に導かれて偉大な存在へ歩み出す物語だ。

 イングランド王ユーサー(エリック・バナ)は、王の座を狙った弟のヴォーティガン(ジュード・ロウ)の謀反により殺害されてしまう。

 辛うじて逃れた息子のアーサーは記憶を失ったまま、スラムでたくましく成長する。ユーサーの死とともに行方不明になっていた聖剣が地上に現れ、アーサー(チャーリー・ハナム)が引き抜いたことで、暴君として君臨するヴォーティガンとの戦いが始まった。

 ガイ・リッチー監督は名探偵シャーロック・ホームズをシリーズで映画化。頭脳明晰(めいせき)という印象から一転、エキセントリックな面を併せ持つこれまでにない不思議な魅力のホームズを生み出した。アーサーも、売春宿育ちで強靭(きょうじん)な肉体と、生き抜く知恵を身に付けたチョイ悪なタフガイとして登場させているのが面白い。

 「シャーロック・ホームズ」でワトソン役のジュード・ロウは、本作では権力と闇の魔術に魅入られていく残忍な男を演じているが、演技力はさすが。極悪非道な悪役ぶりは、バトルだけでない深みを作品に与えている。

 リッチー監督ならではのスタイリッシュな映像は健在。三百六十度のハイスピードカメラとスローモーションを組み合わせた、斬新な映像スタイルとテンポの良さで、物語にぐいぐいと引き込む。操る者が全てを制するエクスカリバーの威力のすごさは、全てが止まったかのような瞬間の中で素早く動く。まさに体感型の映像だ。

 キャメロット城を攻撃する妖術使いとの戦いは巨大な怪獣が暴れまくり、エキサイティングなシーンの連続にオープニングから度肝を抜かれる。そんなCG映像に負けないのが、ロケ地のウェールズの大自然の粗削りな美しさ。イギリスのファンタジーを堪能できるアクションエンターテインメントだ。
=126分
(2017年6月24日号掲載)

=写真=(C)2017 WARNER BROS. ENT. INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENT. LLCPhoto: Daniel Smith

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