ブレードランナー2049 ~前作の30年後描く 現実に近づく映像

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 SF映画の金字塔として高い支持を得たリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」(1982年)。人口過密と酸性雨で荒廃した2019年の地球を舞台に、人造人間レプリカントを追跡する捜査官ブレードランナーの物語は、後の作品にも大きな影響を与えた。「ブレードランナー2049」は、その30年後の未来を描いた続編だ。

 地球規模の飢餓を救った企業家ウォレスは、人造人間を開発したタイレル社の資産を買い取り、従順な新型レプリカントの製造を開始していた。

 ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)は、自身も同じレプリカントでありながら、寿命制限のない旧型を追跡して処分する任務を、粛々とこなす孤独な男。埋葬された骨の発見から陰謀に巻き込まれたKは、30年前にこつぜんと姿を消したブレードランナー、デッカード(ハリソン・フォード)の存在にたどり着く。

 人間に代わる使い捨ての労働力として開発されたレプリカントを「匹」と数え、「もどき」という侮辱の言葉を投げつける人間たち。前作では4年限定の寿命に疑問を持ち、植民地の惑星から地球へ逃亡したレプリカントとブレードランナーとの戦いが描かれた。

 SFアクションでありながら、生命とは何か、人間性とは何かを問い掛ける(深)(しん)(淵)(えん)なテーマは、ほかの作品とは一線を画すエモーショナルなストーリーだった。

 自分の記憶は本物か、それとも植え付けられたものなのか。捜査上でKが抱く謎に隠された真実。人生とは記憶の積み重ねなのだと改めて気付かせてくれる。

 地球環境が崩壊しソーラーパネルで埋め尽くされた大地、空間を利用した広告など、未来を予見した斬新な映像は現実のものに近づいている。日本語の看板や会話など東洋的なビジュアルも健在で、ファンにはうれしい。

 今回は製作に回ったリドリー・スコット監督の跡を継いで、作品の壮大な世界観をあますことなく映像化したのは、「メッセージ」でアカデミー賞監督賞にノミネートされたドゥニ・ビルヌーブ監督。前作のラストから納得の見事な続編となった。
    =2時間43分

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