猫が教えてくれたこと ~トルコで暮らす7匹 自然な日常を捉える

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 ペットフード協会の2017年全国犬猫飼育実態調査で、猫の推定飼育数が952万匹余に達し、犬を逆転した。そんな猫の魅力が満載の作品が「猫が教えてくれたこと」である。アメリカで昨年、たった1館でスタートし、瞬く間に130館で拡大公開されるほどのヒットになった。

 「猫の街」として知られるトルコ・イスタンブールに暮らす猫と人間模様を描いたドキュメンタリーだ。生まれも育ちも違う個性あふれる7匹の猫が登場する。地元で調査をしてストーリーを集め、35匹の候補から7匹に絞り込んだという。

 観光名所のガラタ塔を根城にする黄色い虎猫の「サリ」は、生まれたばかりの子猫たちのために、泥棒をしながら餌を調達するたくましい母猫だ。

 「アスラン」はシーフードレストランの近くにすみ、ネズミ退治が得意。「デニス」は市場を訪れる人たちにマスコットのようにかわいがられる社交家。高級レストランから食事を用意してもらえるほどジェントルマンな「デュマン」は、窓をたたく愛らしいしぐさで、客の間でも人気者だ。

 オスマン帝国の時代、貨物船に乗って世界中からイスタンブールにやってきたという猫たちはどことなくエキゾチックだ。イスラム教の人々からは神聖な生き物として考えられているだけに、野良猫だからと追い払うのではなく、隣人のように存在を認められ、街に溶け込んでいる。

 通り道に設置したカメラは、自由気ままに街を歩く彼らの日常と自然な表情を捉える。地上10センチの高さから猫目線で撮影した映像は、まるで自分が猫になって街を歩く気分だ。

 「猫はイスタンブールの魂」と語るジェイダ・トルン監督は、イスタンブール生まれ。11歳でトルコを離れるまで、苦難の多い子ども時代を野良猫と共に過ごしたという思い出が作品の原動力だ。

 かわいらしいだけでなく、人間に寄り添い、時にはしたたかな猫たち。伸び伸びと生きる猫たちの姿は、見る者をほっこりと幸せにしてくれるから不思議だ。
    =1時間19分

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