しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

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(C) 2016 Small Shack Productions Inc. /
Painted House Films Inc. / 
Parallel Films (Maudie) Ltd. 

 カラフルで愛らしく素朴な作品で、カナダで最も有名な画家といわれるモード・ルイス。「しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス」は、若年性関節リウマチを患いながらも、ひたすら絵を描き続けたモードの実話の映画化だ。

 カナダの小さな港町で叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、子どもの頃からリウマチを患い、邪魔者扱いされていた。唯一の幸せはリウマチで固まった指に絵筆を持ち、身近な自然や生活の風景を描くことだった。

 孤児院で育ったエベレット(イーサン・ホーク)は魚の行商を営んでいた。不愛想なエベレットとモードを結びつけたのは、エベレットが出した「家政婦を求む」の1枚の張り紙だった。

 事あるごとに怒鳴り散らす粗野なエベレットに、ユーモアで切り返すモード。互いの本音をぶつけ合い傷つけ合いながらも、かけがえのない存在になっていった2人は結婚し、殺風景な小さな家はいつしかカラフルな色に彩られていった。

 ニューヨークからの避暑客サンドラがモードの才能を見抜き、絵を注文したことをきっかけに、マスコミの注目を集めたモードの絵は評判になっていく。

 サリー・ホーキンスは、今年のアカデミー賞作品賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」で言葉を失ったヒロインを演じて、演技派女優として地位を確立した。本作でも不自由な体にめげず、想像力を羽ばたかせるモードになりきっている。

 両親が絵本作家で学生時代に演劇と美術のどちらを選ぶか悩んだというホーキンスは、撮影前に素朴派画家の絵画教室に通い、映画の中の絵は実際に彼女が描いたという。

 エベレットが支えることで、輝き始めるモードの人生。名声を手にしながらも質素な生活は変わらない。2人が32年間にわたって暮らした、絵で埋め尽くされたわずか4メートル四方の小さな家そのものが、モード最大の作品となった。

 夫婦とは、心の豊かさとは、本当の幸せとは何かと気づかせてくれる愛が詰まった物語だ。エンドロールでモードの心温まる作品の数々が映し出され、余韻に包まれる。
    =1時間56分

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