ボストン・ストロング ダメな僕だから英雄になれた

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 4月第3月曜の米国「愛国者の日」に行われるボストン・マラソンは、1897年に始まった世界最古のマラソン大会。122回目の今年は、川内優輝選手が日本勢としては31年ぶりの優勝を果たし、話題になった。

 「ボストン・ストロング ダメな僕だから英雄になれた」は、3人の命が奪われ、282人の負傷者が出た2013年大会の爆弾テロで両足を失った青年の回顧録の映画化だ。

 ジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)は、元恋人のエリン(タチアナ・マスラニー)が大会に出場すると知り、応援に駆け付けた。ゴール地点でエリンを待つジェフの真横で突然、爆発が起こり、会場は大混乱に陥った。

 ジェフが意識を取り戻した時、待ち受けていたのは両足切断という現実。絶望する彼を片時も離れずに支えたのは、ジェフのいい加減さが原因で別れたはずのエリンだった。

 アメリカ社会の強さを感じるのは、テロリストに屈しないという団結力だ。市民を勇気づけた「ボストン・ストロング」というスローガンの象徴となったのが、爆破直後に車椅子で運ばれる姿と、傷つきながらもテロリストの姿を証言し、逮捕に協力したジェフだった。

 だが、世間からヒーローと持ち上げられることで、逆に自分の無力さとトラウマにいら立つジェフ。そんな一人の男の心の葛藤を繊細に演じたのが、物語にほれ込んで製作にも関わったジェイク・ギレンホールだ。ジェフ本人と時間をかけて交流し、演技を超えた存在感で見る人を圧倒する。

 足が吹き飛ばされた(凄)(せい)(惨)(さん)なテロ現場のシーンや、義足を装着した姿はリアルでつらくなる。己に起きた現実と向き合った原作「ストロンガー」の段階から注目を集め、映画化が待たれていたという。

 舞台となったボストンも、市を挙げて撮影に協力し、事件を再現しただけでなく、ジェフの実際の担当医や看護師、義足技師も出演したという。普通の男がいかにして悲劇を乗り越え、本物の強さと勇気を勝ち取ったのか、喪失と再生の実話に胸が熱くなる。
=2時間

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