1917 命をかけた伝令 ~敵地を駆ける伝令 危機と試練の連続

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 「1917 命をかけた伝令」は第1次世界大戦のフランスを舞台にした戦争映画。「アメリカン・ビューティー」(1999年)でオスカーを受賞した名匠サム・メンデス監督が、実際に従軍した祖父から聞いた体験談をもとに自ら脚本もてがけた。

 1917年4月。戦況が厳しさを増す中、ドイツ軍が西部戦線から突如姿を消した。連合国軍の追撃の決行が明朝に迫る中、撤退のように見せかけて待ち伏せするドイツ軍のわなと判明する。通信手段を断たれ、作戦を中止するには伝令しか残されていない。1600人の兵士の命を救うべく、伝令に選ばれたイギリス人の若き兵士スコフィールドとブレイクの2人は、敵地を駆け抜ける。

 タイムリミットが迫るなか、幾たびもの危機と試練が2人を襲う。彼らが見る戦場は残酷な死の世界そのものだ。

 おびただしい砲弾の跡。水たまりに浮かぶ泥まみれの死体。人間だけでなく馬の死骸も横たわる。もぬけの殻となったドイツ軍の塹壕の不気味な静寂にスコフィールドとブレイクの息遣いが緊張を高めていく。

 地雷や爆弾、そしてスナイパー。わなが仕掛けられたドイツ軍の占領地を通り抜け、ひたすら走る2人の姿をカメラは追い続ける。一瞬たりとも気を抜けない場面の連続と臨場感を観客に一緒に体験してほしいと、メンデス監督が挑んだのはワンカットで見せる長回しの撮影スタイルだ。彼らの姿を見守り、いつの間にか彼らの視線で戦場を目撃するという不思議な感覚。メンデス監督の壮大なプロジェクトを実現した撮影監督のロジャー・ディーキンスは、驚異的なカメラワークで数多くの映画賞で撮影賞を受賞した。

 主人公の2人の兵士には役柄に合わせて若手の男優が選ばれたが、上官役にはコリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ、マーク・ストロングら、実力派が顔をそろえる。

 先日のゴールデングローブ賞では作品賞と監督賞の主要2部門を受賞。アカデミー賞では作品賞をはじめ、監督、脚本など10部門にノミネートされている。
    =1時間59分
(日本映画ペンクラブ会員、ライター)
長野グランドシネマズ((電)233・3415)で14日(金)より公開

(2020年2月8日掲載)

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